「先生、うちの子、宿題を隠してたんです!」
と唐突に電話をかけてきたお母様がいらっしゃいました。
落ち着いていただき、お話を伺うと、
「小学校3年生の息子が、勉強を要領よくこなしている子なので、
他の兄弟の面倒を見ることが多く、最近、この子の勉強を見ていなかったんです」
とのことでした。
塾の宿題も、たまに言い訳はあるにしても、比較的よく頑張っているところです。
でも、お母様の目には、
「隅から隅まで完璧にやらなければならないのに!」
「できなかったものを隠して、飛ばしてやっていた」
というように映ってしまったのですね。
こういう状況の時は、
その子が何年生なのか、いつもの勉強の様子はどうなのか、
その宿題の目的は、何なのか?ということを整理しないと、
対処を間違えて、
親子げんかに油を注いでしまうことになります。
一般的に学校の宿題は、その問題を“できる”ようにすることではなくて、
“毎日やる”ことが目的になっています。
ですから、簡単かもしれないけど、量は少ないことも多いこともあるけど、
とにかく、毎日完璧にやることです。
塾の宿題は、“できるようにする”とか“覚える”ことが目的になることが多いですから、
毎日コツコツは優先順位の一番ではありません。
(場合によっては、順位を上げることもあります)
そうすると、できるようにすべきところは、息子さんはちゃんとやったわけです。
そして、塾での授業の時に、できなかったところを自分からもってきて、
「ここは、よくわからなかった。教えてください」
と、私に言ってきているので、正しい行動をとっています。
その状況で、お母さんが怒ってしまうと、
子どもとしては、不服が残り、
今後のお母さんの勉強へのかかわり方に反発するようになる恐れが出てきます。
年令についても、
小学校3年生は、大人が考えているより、きちんとした考え方ができます。
その一方で、行動パターンは子どもの行動パターンを引きずっていることがよくあります。
ですから、常に、
「この子が何をどうしたくてこの行動になったのか」
注意を払う必要があるのです。
このような勉強会なども行い、
このようなお母さんの気持ち、子どもの心理、
この親子の対処方法などを、お互いに意見交換しあいながら、
家庭での学習が、うまく進むようなアドバイスを
先生方からご家庭へできるように常日頃から考えています。
今回のこの親子の場合は、お母さん側が、言いたい気持ちをぐっとこらえて
息子さんに“だまされてあげる”ことが必要なんですね。
ですから、こどもにかける言葉は、
「勉強の内容は、どんな感じ?(難しい?簡単?)」
というようにしていくと、いいですね。
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