2019年12月に設置された文部科学省の『大学入試のあり方に関する検討会議』は、大学入学共通テストでの、英語民間検定試験と記述式問題の2025年度大学入学者選抜(2024年度3月までに実施)への導入について、「実現は困難である」とする提言案を発表しました。
英語資格・検定試験のスコアを、英語成績提供システムを介して一元的に活用する仕組みについては、「試験によって会場数、受検料、実施回数や、障碍のある受験者への配慮が異なる」等の課題があり、これを短期間で解決することは容易ではないと指摘し。「大学入学共通テスト本体並みの公平性等が期待される中にあって、実現は困難である」としました。 『国語』『数学Ⅰ』への記述式問題の導入については、「一定の意義はある」としたものの、50万人以上が同一日・同一時刻に受験し、短期間でその成績を各大学へ提供する必要があり、採点者の確保、採点精度、採点結果と自己採点との不一致等の課題について、「解決は容易ではなく、その実現は困難である」としました。
一方で、総合的な英語力評価や記述式問題が果たす重要性は認め、各大学が実施する個別試験での充実が必要との考え方を提示しています。具体的には、記述式問題の出題、総合的な英語力の育成・評価、多様な背景をもつ学生の受入れ、入学後の教育との連動や文理融合等の観点からの出題科目の見直し、入学時期や修学年限の多様化への対応等の取組みを推進する必要があると提言しています。
英語民間検定試験と記述式問題の共通テストへの導入が正式に見送られたものの、より高度で本質的な大学入試へ向けた大きな変化が始まることが予想されます。
澄川教室・鈴木
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