2021年11月18日木曜日

できることと、できないことの境目で

子どもは、自分でできることと、できないことの境目のことに出会ったとき、
どうやったら「やってみよう」の気持ちになってくれるのでしょうか。


小学生の子どもは、自分でできることが大好きです。

できることは、どんどんやります。

その反対に、できないことは、どうでしょうか?
なかなか取り組めずに、さまざまな反応をします。
やらない、ごまかす、違うことをし始める、
親や周りに八つ当たりをする、泣く・・・などです。

親としては、もう少し、向き合って前向きに取り組んでほしいな、と思うものです。

ですから、どうやったら子どもにやらせることができるのか?
ということを考えてしまいます。


ですが、子どもの立場から子ども自身の人生を見ると、
いろいろなことと出会って、問題に直面して、
やらなければならないことはやるけれども、
自分は自分なりに忙しいので、
ぱっと見で大変そうだと思うことは、いったん見ないことにして、
あとから何とかならないかな、とか、
大人が何も言わなければなかったことにしようとか、
後回しにできるものは後回しにしよう、と思っています。

ですから、子どもが、「できない」という逃げの態勢に入っているときに、
一呼吸置かずに無理に向き合わせようとすると、
当然、家庭の雰囲気が悪くなるのです。

だからと言って、逃げていいわけではないので、
どうやって向き合わせるかは、周りの大人のサポート次第です。

子どもが逃げたい場面では、
「できなくていいよ」とは言わないことが大切です。でも、
「今はできなくていいよ」なら、OKです。


どういうことかというと、

子どもは、できることが大好きです。できないことは大嫌いです。

でも、一番好きな状況は、
“できないことができるようになること”
です。

できないことをできるようにしたときに、子どもの心は最も満たされます。
その瞬間のアドレナリンが子どもを笑顔にします。

こんな状況が毎日のように起こるのが赤ちゃんの時です。
でも、だんだん大きくなるにしたがって、
毎日、何かできるようになるという状況は少なくなります。

小学生になれば、毎日毎日そんなに大きな成長を感じる機会は、減っていきます。
それでも、毎日学校で何かしらのことを学んでくるわけです。
新しいことを一つ知ったら、それは、できるようになった、と同じことです。

「新しいことが知れてうれしいね」
「できるようになって、よかったね」

これが、好奇心旺盛な子どもに育つ、親から子への魔法の言葉です。

なかなか覚えられないことを覚えられたらうれしいわけです。

気持ちが逃げたくなった時には、何かしらの工夫をして、
挑戦する勇気を持たせる工夫をするのは親ができることです。

“嫌いな野菜をどうやったら食べてもらえるだろうか?”
と赤ちゃんだった時に考えた工夫を、
勉強などの場面で親や周りの大人がサポートしてあげる必要がある時があります。

ちょっとした勇気と工夫をするだけで、
目の前の問題ができるかもしれない(嫌いな野菜が食べられるかもしれない)
と考えてみるのです。

ただし、小学校高学年にもなれば、
いろいろと言い訳も逃げる知恵も出てくるでしょうから、
親の側にもさらに上を行く知恵が必要な時があります。

どちらにしても、
子どもが新しいことに向き合うことを楽しいと思えるように、
そして、なかなか向き合えない時に向き合う勇気を持てるように、
できるだけ普段から魔法の言葉をかけておきます。

「新しいことが知れてうれしいね」
「できるようになって、よかったね」

これを普段からやっておくことで、
できるとできないの境目に出会ったときに、
問題に向き合わせやすくなります。

ぜひ、こどものできるとできないの境目に注目して、声を掛けてあげてください。

(白石教室 北山あさえ)

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