子どもは、自分でできることと、できないことの境目のことに出会ったとき、
どうやったら「やってみよう」の気持ちになってくれるのでしょうか。
小学生の子どもは、自分でできることが大好きです。
できることは、どんどんやります。
その反対に、できないことは、どうでしょうか?
なかなか取り組めずに、さまざまな反応をします。
やらない、ごまかす、違うことをし始める、
親や周りに八つ当たりをする、泣く・・・などです。
親としては、もう少し、向き合って前向きに取り組んでほしいな、と思うものです。
ですから、どうやったら子どもにやらせることができるのか?
ということを考えてしまいます。
ですが、子どもの立場から子ども自身の人生を見ると、
いろいろなことと出会って、問題に直面して、
やらなければならないことはやるけれども、
自分は自分なりに忙しいので、
ぱっと見で大変そうだと思うことは、いったん見ないことにして、
あとから何とかならないかな、とか、
大人が何も言わなければなかったことにしようとか、
後回しにできるものは後回しにしよう、と思っています。
ですから、子どもが、「できない」という逃げの態勢に入っているときに、
一呼吸置かずに無理に向き合わせようとすると、
当然、家庭の雰囲気が悪くなるのです。
だからと言って、逃げていいわけではないので、
どうやって向き合わせるかは、周りの大人のサポート次第です。
子どもが逃げたい場面では、
「できなくていいよ」とは言わないことが大切です。でも、
「今はできなくていいよ」なら、OKです。
どういうことかというと、
子どもは、できることが大好きです。できないことは大嫌いです。
でも、一番好きな状況は、
“できないことができるようになること”です。
できないことをできるようにしたときに、子どもの心は最も満たされます。
その瞬間のアドレナリンが子どもを笑顔にします。
こんな状況が毎日のように起こるのが赤ちゃんの時です。
でも、だんだん大きくなるにしたがって、
毎日、何かできるようになるという状況は少なくなります。
小学生になれば、毎日毎日そんなに大きな成長を感じる機会は、減っていきます。
それでも、毎日学校で何かしらのことを学んでくるわけです。
新しいことを一つ知ったら、それは、できるようになった、と同じことです。
「新しいことが知れてうれしいね」
「できるようになって、よかったね」
これが、好奇心旺盛な子どもに育つ、親から子への魔法の言葉です。
なかなか覚えられないことを覚えられたらうれしいわけです。
気持ちが逃げたくなった時には、何かしらの工夫をして、
挑戦する勇気を持たせる工夫をするのは親ができることです。
“嫌いな野菜をどうやったら食べてもらえるだろうか?”
と赤ちゃんだった時に考えた工夫を、
勉強などの場面で親や周りの大人がサポートしてあげる必要がある時があります。
ちょっとした勇気と工夫をするだけで、
目の前の問題ができるかもしれない(嫌いな野菜が食べられるかもしれない)
と考えてみるのです。
ただし、小学校高学年にもなれば、
いろいろと言い訳も逃げる知恵も出てくるでしょうから、
親の側にもさらに上を行く知恵が必要な時があります。
どちらにしても、
子どもが新しいことに向き合うことを楽しいと思えるように、
そして、なかなか向き合えない時に向き合う勇気を持てるように、
できるだけ普段から魔法の言葉をかけておきます。
「新しいことが知れてうれしいね」
「できるようになって、よかったね」
これを普段からやっておくことで、
できるとできないの境目に出会ったときに、
問題に向き合わせやすくなります。
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