2021年2月26日金曜日

誰のために、何のために学ぶのか。

 



誰のために、何のために学ぶのか。

 

もちろん自分のために学ぶ。

どんな人間にとっても自分が一番大事なはずだ。

 

そして、自分の大事な人のために学ぶ。

どんな人間にとっても自分が大事にしている人がいるはずだ。

 

「そもそも、お父さんお母さんの言うことを、1から10まで全部聞く必要はない。

 親の言うことは、大体でいい。

 少し適当に聞くくらいで丁度いいんだ。

まあ、聞いているとためになることも、結構あるだろ。

そこだけ聞いて、あとは適当に流してりゃあ、

ケンカになんかなるはずないだろう?

いちいちケンカなんかするな。

大人になれよ、って子どもか・・・」

 

塾で教えていると、

「親子ゲンカ中だから機嫌悪いんです!」って顔をしている生徒が時々いる。

 

「・・・お父さんやお母さんの言うことを、

君が聞くか聞かないか、そんなことはどっちだっていいんだ。

 

でもね、よーく考えてごらん。

 

もし、何かあったときに、

お父さんやお母さんを守らなくちゃいけないのは誰だ?」

 

親子ゲンカ中で不機嫌な生徒に時々尋ねるのだが、

大体の生徒は、(小学3年生であっても!)

 

「ぼくです…」とか「私です…」と答える。

 

「そうだよね。

でも残念ながら、無理だな。

何かあっても、君には、親を守るだけの力がない。

 どうしたら、何かあったときに親を守れると思う?

 どうしたら、その力を持てるようになると思う?」

 

「・・・・」

 

「君は、だれのために勉強してるんだい?」

 

「・・・自分のため・・・?」

 

「そうだな。

 でも、それだけじゃない。

 知恵や力を身につけて、

今はできないかもしれないけど、

 自分の大事な人を守るためにするのが勉強なんじゃないのか?」

 

子どもはすぐ大人になる。

そして、家族を持つかもしれない。

その時に、家族を守るだけの力があり、

自分の子どもに伝える知恵を持っていれば、

その時、その生徒は、

どれほど幸せであることだろう。

 

また、大人になり、会社に入り

ちょっとしたプロジェクトを任されることがあるかもしれない。

その時、仲間に自分が学んだ知識や経験を伝えられたなら、

自分達が考えた仕事を、仲間とともに実現して行けたなら、

その時、その生徒は、

どれほどの満足感を感じることだろう。

 

誰のために、何のために学ぶのか。

 

もちろん自分のために学ぶ。

そして、自分の大事な人のために学ぶ。

 

人間は、一人で生きているわけではない。

「自分のために学ぶ」と「大事な人のために学ぶ」は同義だ。

 

子ども達は、まだ自分という世界観しかもっていない。

そこで、周りの大人が、将来のビジョンを少し見せてあげると

子どもたちが活き活きと学び始めることも多い。

 

子ども達は本能的に知っている。

学ぶことは楽しくて、役に立つし、必要なことを。

 

誰のために、何のために学ぶのか。

子どもたちに思い出させてあげられる塾でありたい。

 

             パシフィック・セミナー 代表 北山義晃

 

 

 


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