2021年3月12日金曜日

才能とは「続けること」だ。








進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む。 福沢諭吉

才能とは「続けること」だ。          羽生善治


高校2年の夏期講習前だった。

「部活が忙しいので、塾をどうしようか考えているんです。」

 

悩み顔で言いに来たS君。

疲れ切り、塾で居眠りすることもあった。

 

「1年間部活に注力して、3年の夏から本気を出すのはどうでしょう?」

と聞いてきた。

 

とても耳障りの良い言葉ではあるが、

もちろんただの逃げだ。

 

彼に二つ質問をした。

 

1.   「今、部活と勉強を両立する辛さ」と

1年後、受験勉強と真剣に向き合う辛さ」だったら同じようなものだ。

今、乗り越えられない辛さを、

どうして高三になったら突然乗り越えられるようになるのか?


その根拠は?



2.   「部活によって少し勉強のペースが落ちたとしても、
塾での勉強を続けていてからラストスパートした場合」と


「塾での勉強を止めてしまって、
勉強の貯金がなくなって、
ブランクも空いて、
その状態でラストスパートをする場合」の、


       どちらを君は選びたい? もしくは、選ぶべき?

 

 

彼は結局、勉強と部活を両立する道を選んだ。

 

そして見事にやってのけた。

その正当な代償として第一志望合格を手に入れた。

人間的な成長も著しかった。

 

只今絶賛東京生活堪能中だ。

 

 

 

高校1年の五月だった。

 

「一度塾を離れて、自分でできるかどうか試してみようと思うんです。」

 

頭脳明晰なので、

N君の主張は、耳障りが良いだけでなく、

多くの場合至極もっともに聞こえる。

 

生活のリズムは変わり、

高校の宿題は鬼のように多く、

塾の復習も、まじめにやるとまあ大変だ。

 

結構なペースを保たせていたので、

そりゃ大変なのだろうけれども、

 

志望校の北大(北海道勢は40%しか合格しない。60%は首都圏の進学校出身)

に合格しようと思ったら、

どうしてもこなしてもらわなくてはならない勉強量というものがある。

 

N君には、ただその事実のみを伝えた。

 

3週間後、彼は「どうしても北大に行きたいです。」と言いに来た。

そして、逆に授業のコマ数を増やした。

見事彼は3年間の受験勉強をやり遂げ、

北大に合格した。

 

只今絶賛北大生活満喫中だ。

 

 

何かを本気で始めようとすると、

意外と大変だということに気づくものだ。

 

そこで、立ち向かう人と、

「あのブドウはきっと酸っぱいよ」と言う人の2通りに分かれる。

 

酸っぱいのはブドウではなく、あきらめた後に残る後悔かもしれないのに。

 

これから登る山の頂は、はるか彼方に見えるものだ。

しかし、途中の道のりが大変であればあるほど、

到達したときの景色は素晴しい。

 

一人でも多くの生徒に、この感動を味わってもらいたい。

 

                    パシフィック・セミナー 代表 北山義晃





 





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