2021年11月25日木曜日

総合型選抜の募集人員は引き続き増加か

 来春の国公立大学入試の動向です。

文部科学省は9月29日、「令和4年度国公立大学入学者選抜の概要」を発表しました。これによりますと、国公立大学入学試験における総合型選抜(旧・AO入試)の募集人員は、約30%増えた前年よりは落ち着いたものの、昨年比3.6%増となっており、引き続き増加傾向にあります。

2022年度入試の実施大学・学部数は、国立82大学401学部、公立94大学209学部となっています。これらの大学の中で、総合型選抜(旧・AO入試)を行うのは、国立64大学258学部、公立38大学77学部、学校推薦型選抜(旧・推薦入試)を行うのは、国立77大学283学部、公立93大学203学部となりました。

国公立大学の総募集人員は、一般選抜が前期日程79,779人、中期日程2,349人、後期日程16,335人となっています。総合型選抜は7,413人、学校推薦型選抜は20,585人となりました。

各国公立大学の募集人員について、選抜方式ごとに前年との増減及び比をとると、一般選抜が国立大前期日程-194(0.3)、同後期日程-247(1.9)、公立大前期日程+124人(+0.8%)、同中期日程-15(0.6)、同後期日程-124(3.5)。総合型選抜は、国立大が+200人(+3.3%)、公立大が+56(5.3)。学校推薦型選抜は、国立大が+52人(+0.4%)、公立大が+222(2.6)となりました。

2020年入試の5559人から2021年入試の7157人へと30%近く増加した前年ほどではないものの、2022年も国立大、公立大いずれも総合型選抜の募集人員が3.6%増加しています。学校推薦型選抜も国立大、公立大ともに増加しており、全体の募集人員に占める「総合型選抜+推薦型選抜」の割合は、国公立大学の合計で22.0過去最高となりました。

文部科学省は大きな方向として、2025(令和7)年度入試において「総合型選抜+推薦型選抜」の占める割合を全定員の3分の1にすることを目指しています。私立大学では既に推薦入試による入学者の割合が5割を超えています。推薦入試で大学を目指すためには、高校入学直後からの評定平均を維持することが前提となります。

高校の定期試験で良い点を取りたい評定平均を維持したい推薦入試で大学受験をしたい、そんな高校生のみなさんは、ぜひパシフィック・セミナーにご相談ください。

澄川教室・鈴木

2021年11月18日木曜日

できることと、できないことの境目で

子どもは、自分でできることと、できないことの境目のことに出会ったとき、
どうやったら「やってみよう」の気持ちになってくれるのでしょうか。


小学生の子どもは、自分でできることが大好きです。

できることは、どんどんやります。

その反対に、できないことは、どうでしょうか?
なかなか取り組めずに、さまざまな反応をします。
やらない、ごまかす、違うことをし始める、
親や周りに八つ当たりをする、泣く・・・などです。

親としては、もう少し、向き合って前向きに取り組んでほしいな、と思うものです。

ですから、どうやったら子どもにやらせることができるのか?
ということを考えてしまいます。


ですが、子どもの立場から子ども自身の人生を見ると、
いろいろなことと出会って、問題に直面して、
やらなければならないことはやるけれども、
自分は自分なりに忙しいので、
ぱっと見で大変そうだと思うことは、いったん見ないことにして、
あとから何とかならないかな、とか、
大人が何も言わなければなかったことにしようとか、
後回しにできるものは後回しにしよう、と思っています。

ですから、子どもが、「できない」という逃げの態勢に入っているときに、
一呼吸置かずに無理に向き合わせようとすると、
当然、家庭の雰囲気が悪くなるのです。

だからと言って、逃げていいわけではないので、
どうやって向き合わせるかは、周りの大人のサポート次第です。

子どもが逃げたい場面では、
「できなくていいよ」とは言わないことが大切です。でも、
「今はできなくていいよ」なら、OKです。


どういうことかというと、

子どもは、できることが大好きです。できないことは大嫌いです。

でも、一番好きな状況は、
“できないことができるようになること”
です。

できないことをできるようにしたときに、子どもの心は最も満たされます。
その瞬間のアドレナリンが子どもを笑顔にします。

こんな状況が毎日のように起こるのが赤ちゃんの時です。
でも、だんだん大きくなるにしたがって、
毎日、何かできるようになるという状況は少なくなります。

小学生になれば、毎日毎日そんなに大きな成長を感じる機会は、減っていきます。
それでも、毎日学校で何かしらのことを学んでくるわけです。
新しいことを一つ知ったら、それは、できるようになった、と同じことです。

「新しいことが知れてうれしいね」
「できるようになって、よかったね」

これが、好奇心旺盛な子どもに育つ、親から子への魔法の言葉です。

なかなか覚えられないことを覚えられたらうれしいわけです。

気持ちが逃げたくなった時には、何かしらの工夫をして、
挑戦する勇気を持たせる工夫をするのは親ができることです。

“嫌いな野菜をどうやったら食べてもらえるだろうか?”
と赤ちゃんだった時に考えた工夫を、
勉強などの場面で親や周りの大人がサポートしてあげる必要がある時があります。

ちょっとした勇気と工夫をするだけで、
目の前の問題ができるかもしれない(嫌いな野菜が食べられるかもしれない)
と考えてみるのです。

ただし、小学校高学年にもなれば、
いろいろと言い訳も逃げる知恵も出てくるでしょうから、
親の側にもさらに上を行く知恵が必要な時があります。

どちらにしても、
子どもが新しいことに向き合うことを楽しいと思えるように、
そして、なかなか向き合えない時に向き合う勇気を持てるように、
できるだけ普段から魔法の言葉をかけておきます。

「新しいことが知れてうれしいね」
「できるようになって、よかったね」

これを普段からやっておくことで、
できるとできないの境目に出会ったときに、
問題に向き合わせやすくなります。

ぜひ、こどものできるとできないの境目に注目して、声を掛けてあげてください。

(白石教室 北山あさえ)

インターハイのファンファーレを作ろう!

 再来年2023(令和5)年度の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)は、36年ぶりに北海道で開催されます。

 全国高校総体とも呼ばれるインターハイは、全国高等学校体育連盟(全国高体連)の主催で毎年8月を中心に開催されるスポーツの総合競技大会です。初年度から各都道府県単位の持ち回り開催を原則としていましたが、2004(平成16)年度以降は、地域ブロック単位の開催に移行しました。昨年度はコロナ禍のために残念ながら夏季大会が中止されてしまいましたが、今年2021年度は北陸信越(福井・石川・富山・新潟・長野の各県)を舞台に開催されました。来年2022年度は四国(香川・愛媛・徳島・高知の各県)で開催される予定です。

選手として競技に参加する運動部所属の高校生だけでなく、大会を支える高校生も参加して「オール北海道」で全国からの選手を歓迎する取り組みが現在進められています。

北海道教育委員会(道教委)は、この高校生のスポーツの祭典を演出するのにふさわしいファンファーレの募集を開始しました。応募資格は、全道の中学生・高校生です。最優秀賞として4作品が選ばれ、インターハイの総合開会式で演奏される予定です。詳しくは道教委ウェブサイト内の「募集要項」を参照してください。

またYouTubeで、1987(昭和62)年度大会の総合開会式で演奏されたファンファーレを聴くことができます。

昭和62年度全国高等学校総合体育大会ファンファーレ入選作品

この作品の作曲者の大内秀之先生は、現在、札幌市立北陽中学校で音楽を教えておられる他、札幌地区吹奏楽連盟の事務局長をなさっています。

中学生・高校生のみなさんで、吹奏楽部に所属している方、金管楽器または打楽器をやっている方、作曲に興味がある方などは、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。締切は12月24日です。

澄川教室・鈴木

2021年11月11日木曜日

公立高校入試の新しい解答用紙

北海道教育委員会(道教委)は、1029日に、2022(令和4)年度以降の公立高校入試において、一般入試の学力検査で用いられる解答用紙の見本を発表しました。

学力検査における解答用紙の様式(サンプル)

 今回発表された解答用紙の見本は、この春に行われた2021(令和3)年度の公立高校一般入試の入試問題をもとに作成されたたものになります。北海道教育委員会のウェブサイトにおいてPDF形式で公表されており、国語・数学・社会・理科・英語の全5教科分を閲覧することができます。なお、これまでの解答用紙の大きさはB4版でしたが、A3版へと変更されます。

(英語の解答用紙の見本)

 2022(令和4)年度入試から、公立高校入試の一般入試は大きな変更が予定されています。学力検査においては、学校裁量問題・標準問題の区分を廃止し、全生徒に同一の問題が課されます。全教科で基礎的・基本的な知識および技能、に加えて思考力・判断力・表現力等をバランス良く出題する新しいタイプの問題への移行が予定されています。得点についても、これまでの1教科60点満点、5教科合計300点満点から、1教科100点満点、合計500点満点への変更が行なわれ、解答時間が、各教科45分間から50分間へと5分延長されます。聴き取りテストの配点は、全体の25%だったものが、全体の3035%程度に増加されます。

 澄川教室・鈴木

2021年11月8日月曜日

自分に尋ねてみよう。

今を生きることで 熱いこころ燃える

だから君は行くんだ 微笑んで  

そうだ! 恐れないでみんなのために

愛と勇気だけが友達さ      アンパンマンのマーチ



朝晩めっきり涼しくなり、少し日が照っているとなんか嬉しいですよね。

先日、ある生徒が「5分あまったから勉強しました!」と言ってノートを持ってきました。見直しをしたのだそうです。

「えらいね~~。で何を覚えたの?」「・・・あれ?わかんない・・・」

きちんと覚えてはいなかったのですね。なので提案をしました。

「じゃあ、5分したらもう一度尋ねるから、何を覚えたか教えてね。」「うん。」

そして5分後、「何覚えたの?」と聞くと、次から次と答える答える。
いつものことながら驚きです。

「何覚えたか教えてね。」と言われた後は、

「何を覚えようかな?何を覚えたって先生に教えようかな?」と自分に問いかけながら見直したに違いありません。

自分に対する質問を工夫すると、勉強の効率が上がります。

「今、何を勉強すると、明後日のテストがうまくいくかな?」と自分で自分にゆったり尋ねてからスタートすると、思っていたよりはうまくいきそうです。

「試験の準備が遅くなって、いつも困るのはどうしてだろう?」と、どんよりした気分で自問自答しながら勉強しても、あまり芳しい結果は出なさそうです。

出したい結果に向けて、何をしたらいいかを問いかけるといいようです。



                パシフィック・セミナー 代表 北山義晃

2021年11月5日金曜日

「100点のテスト」を子どもが持ち帰ってきたときには?

 


 

子どもが100点のテストを持って帰ってくると、嬉しいですよね。
100点のテストを持って帰ってきたら、どんなところを見てあげますか?
100点のテストの紙面の、右上の点数のところだけを見て、ほめて終わりでしょうか?

100点のテストの内容を確認しないで、ほめて終わりだと
「“もったいない”ですよー!」

と声を大にして、お父さん、お母さん方へ伝えたいと思います。
100点の「点数だけ」をほめると、
100点ではない時に見せるのを嫌がったりするようになりますが、
テストの注目するべき点に注目して、ほめてあげると、
そこからたくさんの会話が生まれ、
子どもがもっと頑張ろうと思って、勉強に励むようになります。

 

では、

100点のテストのどんなところに、そんなに見るところがあるのか、
気を付けてみたことはありますか?

 

それをお話しする前に、

もし子どもが、30点のテストを持って帰ってきたら、どこに注目しますか?

 

よくある典型的なお母さんの反応ですが、
まず、ガッカリするか、怒るかして、それから、
どこが“できなかったか”を目を皿のようにして、確認して、
「どうしてここができなかったの?」と、
質問しているけど、絶対怒っている口調で、子どもに迫りませんか?

 

そうなんですよね、お母さんがそうするのが、想像がつくから、
子どもが見せたがらないんですよね。

 

できれば、30点のテストでも、100点のテストでも、
同じように、親に見せてほしいと思います。
そのためには、30点のテストの時に、
できていないところに注目するのではなくて、
できていた30点分に注目することが大切です。


できているところを見てみると、
すらすら解けた様子のところと、
ちょっと迷った結果書いた答えがあっていたところがあるはずです。

 

またまた質問ですが、
前者と後者、どちらに注目するといいと思いますか?

 

この質問を言い換えると、

「このテストの中で、子どもが一番、頭を使ったのは、どこだったでしょうか?」

となります。
この質問なら、答えがわかりますね。

 

これは、スポーツや芸術系の分野でも同じです。

比較的苦労なくできるところは、
それはそれで、ほめられると嬉しいですが、受け入れやすい結果です。

新しい技術を習った時、なかなかできなくて、
何度も練習したところが、たまたま試合でできたら、
思いっきりほめてあげませんか。

(ほんとうは偶然できただけかもしれないけど、
 でも、なんか回りが喜んでいるし、照れくさくて素直に喜べないけど、
 悪い気はしない、今まで練習してよかった。)

と、子どもは感じると思います。

そのほめ方と同じことを、勉強しているときや、テストの結果の中で、
子どもに言ってあげることが、勉強も頑張れるようになるコツなのです。

 

もし、子どもが30点のテストを持って帰って来たら、
“ちょっと迷った結果書いた答えがあっていた”ところを、
お父さんお母さんが見つけた瞬間が、
子どものやる気を引き出す最大のチャンスです。

 

そして、30点のテストでこうなのですから、
100点のテストでも、当然、注目すべき点が見えてくるはずです。

 

すらすら解けていない、ちょっと頑張ったと思われる解答に注目して、
「がんばったね」と一言ねぎらってあげればいいのです。

テスト中に、もしかしたら、
「この問題はあきらめよう」と思ったかもしれないのです。
それを「ちょっと頑張ってみようかな」と思い返して、やったのかもしれないのです。
”あきらめよう”と、”がんばってみよう”の間で、
”がんばってみようかな”、が勝った瞬間かもしれないのです。

頑張ってみようかなという気持ちが勝ったところを
思いっきり認めてあげれば、
子どもは、次もやってみようかな、と思えるはずです。

 

ぜひ、100点のテストほど、
点数だけを見るのではなく、どんなところを、頑張ったのか、
親子で一緒に見てあげてください。

 

白石教室:北山あさえ

2021年11月4日木曜日

国立高専が最寄り地等受験制度導入

国立高等専門学校機構は、2022(令和4)年2月の入試から、受験生が居住地の最寄り会場で全国51校の国立高専を受けられる制度を本格的に導入することを発表しました。

今年2月の入試では、コロナ禍で都道府県を越えた受験が難しくなったため、試験的に国立高専47校と大学等の全国計63会場で、47校の試験を受験できる制度を実施しました。新型コロナの感染状況は全国的に落ち着きを見せてきていますが、冬場に再拡大の可能性もあり、来年2月に行われる入試では、全51校の試験を全国計80会場で受けられるようにしたものです。

例えば、函館高専これまでも札幌会場を設けていたため、札幌市でも受験することができました。ところが来春の入試では、仙台高専や広島商船高専等も札幌市での受験が可能になります

国立高専では試験問題が共通で、各校はこれまでも都市部などに学外会場を設けてきましたが、希望校の会場がなければ、泊まりがけや多額の交通費を使って受験校まで行く必要がありました。コロナ禍の下での都道府県を越えた移動に対する懸念への対応と経済的な負担の軽減で、中学生が高専への受験に挑戦しやすくなります。利用できる会場一覧は以下のとおりです。

最寄り地受験制度・令和4年度入学者選抜学力検査会場一覧

 

 

 北海道の4高専はそれぞれホームページを持っており、各高専サイトへの入り口として道内4高専ポータルサイト』を開設しています。ぜひご覧になってみてください。 

澄川教室・鈴木

高校受験時の進路選択【公立高編⑦】

    先週の記事 の続きです。主に新中3生向けの記事です。 2 ヶ月に渡って連載してきたこのシリーズも、公立高編については今回が最終回です。今週は『多様なタイプ』の高校について紹介したいと思います。 【全日制普通科単位制・全日制専門学科単位制】   全日制普通科単位制 ...